サラリーマンが退職した後の確定申告の必要性と、年金受給後の確定申告の必要性について
今回は退職してからの確定申告の必要性についてまとめてみました。前回紹介した内容と一部被ることもあろうかと思いますが、そこはご了承ください。
これまでは年末調整で会社が申請してくれていましたが、退職後は自らが確定申告を行う必要が出てきます。また所得として年金が増えた場合や事業所得などが増えた場合、確定申告はどうなるでしょうか。定年後の確定申告によくある事例と、年金の確定申告について、ポイントを抑えていきましょう。
年の途中で定年退職した場合
年の途中で定年退職した場合など年末調整を行っていない場合は、確定申告をすることで所得税が還付される可能性がでてきます。
退職日が12月末日であれば、会社側で年末調整を行って所得税の精算を行っていますので確定申告の必要はありません。
また、年末調整をしなかった場合でも、年内に再就職した場合は、新しい会社で年末調整をすれば確定申告の必要はありません。
確定申告を行うことによって、さまざまな控除を受けることもできるので還付の可能性は高くなります。
1)なぜ還付される可能性が高いのか
退職年に確定申告を行うと還付される可能性が高いです。
退職年の給与やボーナスで源泉徴収税として天引きされた所得税が、未精算のままだからです。確定申告は年末調整に似ていて、扶養控除や生命保険料控除などの控除があります。
年末調整を行っていたように、控除に必要な書類を集める必要があります。年末調整との違いは、自分で計算するか会社にしてもらうかの違いです。
2)源泉徴収票
確定申告をするにあたって定年退職した会社の源泉徴収票が必要になってきます。
収入や社会保険料などの必要事項が記載されているからです。必ず退職時に会社にいつもらえるかを確認して退職しましょう。
退職後受け取った退職金を申告していない場合
定年で退職をする場合、退職金を受け取る方も多いと思います。
退職金は給与やボーナスとはまた一線異なる所得になります。会社側が退職金の申告を行っていない場合は、自ら確定申告を行う必要性がでてきます。
1)退職所得の受給に関する申告の提出
ほとんどの場合、分離清算といって会社側で申告書を提出して、税金の清算を行ってくれます。
しかし、会社が申告書を提出していない場合は退職金総額に対して一律20パーセントが源泉徴収されることになります。
うっかり申告を怠って20パーセント厳選徴収されてしまったというのもあるようです。
会社側が提出していない場合でも、自ら申告書を提出することで特別な控除が受けられますので、申告することをおすすめします。
2)退職金控除額の計算
退職控除額は勤続年数によって、以下のように算出されます。
勤続年数20年以下「40万円×勤続年数」
勤続年数20年越え「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」
定年退職後、確定申告が必要な場合・不要な場合
定年退職後に、再就職や事業を起こす方も少なくないでしょう。私も起業する予定です。
再就職や再雇用は年末調整などで、会社側が所得税の申告をしているところもありますが、定年後事業を起こしたり、継続的な収入があったりする場合は確定申告の必要性がでてきます。また年金を受け取っている場合、要件をみたしていれば確定申告の手続きは不要となります。以下で詳しくみていきましょう。
1)定年後でも確定申告が必要な場合
定年後でも事業収入やその他の収入がある場合は、確定申告をしなくてはならない可能性があります。アパートなどの賃貸をして収入を得る不動産所得も該当します。
定年後でも一定の所得がある場合は確定申告をするようにしましょう。年をとると医療費などがかさんできたりもします。医療費の支払いが多かったり、災害に巻き込まれたりした場合は、還付の可能性が多いにあります。
2)定年後、確定申告が不要な場合
年金受給者で以下の2つの用件を満たす場合は、確定申告は不要となります。
a)年金の収入金額の合計額が400万円以下
b)公的年金等に係る雑所得以外の所得(生命保険満期返戻金、個人年金、株式や出資の配当金・給与所得など)が20万円以下の方
注意:収入源が年金だけの方も、次のような場合は税金が戻ってくる場合がありますのでその都度還付申告をしましょう。
医療費を多く支払った場合
自然災害等の被害があった場合
社会保険料・生命保険料・地震保険料を支払った場合
扶養親族等申告書を提出していない場合
など
※雇用保険の失業給付には税金はかかりません。申告の際には、収入に含める必要はありません。
在職中の場合、住民税は今まで会社が給与から天引き(源泉徴収)して納めていましたが、退職後は納入通知書により自分で支払期限までに支払うことになります。
退職の翌年6月に自宅に住民税の納入通知書が送付されてきますので、その納入通知書に従い納入するようにしましょう。
再就職した場合などは、これまでどおり給与からの天引き(源泉徴収)になります。
住民税についてもう少し具体的に説明します。
例えば2019年分の所得に対応する住民税は、2020年の6月から2021年5月まで支払う給与等から差し引かれることになります。(よって退職後の翌年は前年度の所得に応じた住民税を支払うことになるので、その年に収入がなくても住民税は在職中と同じ金額を納付する必要が出てくるのです。)
住民税は毎年6月に金額が変更されることとなります。(給与明細に記載されていると思います)
定年退職後も、必要に応じてしっかり対応をする事が大切です。
還付される税金もetaxならデータを打ち込めば直ぐに確認することが出来ます。